後藤法橋一乗 縁頭セット

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後藤一乗
京都室町頭木下町で京後藤家の分家、後藤七郎右衛門重乗の次男として生まれる。
幼名は栄次郎。母は二条家家臣・野間氏出身。兄・後藤光熈(みつひろ)、弟・光覧(みつただ)も金工家。
1800年(寛政12年)頃同じ京の分家・後藤八郎兵衛謙乗の養子となる。
1805年(文化2年)15歳で謙乗が亡くなったため、八郎兵衛家第6代目当主となり、光貨(みつたか)と名乗る。
1811年(文化8年)に光行(みつゆき)と改名し、四郎兵衛宗家から大判の墨書書改や分銅制作の依頼を受け、京都における業務を代行した。更に文政年間初め頃、光代(みつよ)と改名している。
1824年(文政7年)光格天皇佩用の正宗の刀装具を制作、その功績によって同年12月19日法橋に叙される。この頃から、一乗を名乗った。
1851年(嘉永4年3月)江戸幕府の招きで10人扶持を受け江戸へ下り、10年ほど幕府などの依頼で刀装具を制作、1855年(安政2年)には第13代将軍徳川家定にお目見えする栄誉を受けている。
1862年(文久2年)朝廷の命で京都に戻り、孝明天皇の刀装具を制作、翌年6月8日法眼に叙された。
1866年(慶応2年)から幕府の御用は子の光伸に譲る。
1868年(明治元年)朝廷から一代限り年米10俵下賜の通知を受ける。一乗細工所を経営し、後述する優れた弟子を多く輩出した。その名声は在世中より高く、一乗より少し後の金工家・加納夏雄は、「当時京都に後藤一乗なる者あり、技量優れて世に用いられ、その勢力殆ど本家後藤家を圧倒せしむありしかば」と評している。

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